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微生物が作る土壌

田畑の動物の構成

田畑の動物の構成はどうなっているかご存じでしょうか。

  • 75% 糸状菌

  • 20% 細菌

  •  5% 土壌生物

先ず、土壌生物というのはモグラとかミミズ、ネズミ等、私たちが目視しやすい動物が含まれます。


糸状菌というのはある特定の微生物の名前ではなく、菌類の一部を指す総称で、放線菌、カビ、酵母などが含まれます。キノコも糸状菌です。


一般的に糸状菌と言えば有害な菌というイメージがあります。


例えば、皮膚病や呼吸器系の疾患などの感染症や気管支喘息などの病気の原因となるものがあります。例えば、水虫(白癬)は白癬菌という糸状菌の一種による皮膚病のひとつです。


土壌中には十万種以上の糸状菌が存在すると言われています。植物に及ぼす病害としても多数あります。例えば、青カビ病・赤枯病・いもち病・うどんこ病・・・農家さんからの土壌に糸状菌を増やすなど、もってのほか…という声が聞こえてきそうです。しかし、有害な糸状菌はごく一部で、豊かな土壌を形成する上で重要な存在であるのです。


wikipediaによると、以下のように記載されています。


  1. 有機物分解と栄養循環糸状菌はデンプンやセルロースなどの有機物を分解する酵素を分泌します。これにより、有機物が糖や栄養分に変換され、他の微生物のエサとなります。糸状菌の活動により、土壌中の栄養循環が促進され、植物の成長に必要な栄養分が供給されます。

  2. 土壌構造の改善糸状菌は土壌中の団粒構造を形成し、土壌の通気性や水はけを改善します。これは植物の根張りや生育に良い影響を与えます。特に森林土壌では、糸状菌が腐植の分解をスタートさせ、土壌中の有機物を分解します。

  3. 病原菌からの保護糸状菌は植物に対する病原菌から守る役割もあります。一部の糸状菌は植物と共生し、植物の耐性を高める物質を生成します。この特性を活用すれば、農薬を使用せずに病害虫から農作物を守ることができます。

以上





最後に細菌ですが、これも微生物の一種です。私たちの日常生活において、乳酸飲料や納豆の製造などに役立つ一方で、食中毒や病気を引き起こすこともあります。例えば、腸管出血性大腸菌やサルモネラ、カンピロバクターなどは食中毒を起こす細菌としてよく知られています。



田畑の動物総出で土作り


微生物がどのようにして土壌を作っているかというと、先ず、糸状菌が有機物を分解する酵素を分泌します。これが糖や栄養分に変換されます。これを細菌がエサとして増殖するのです。


又、糸状菌の増殖には適度な酸素と水が必要です。地上付近で増殖した糸状菌は下へ下へと増殖を続けます。下へと増殖を続ければそのままでは水はあれども酸素が無い状態になります。しかし、そこに空間が出来れば酸素は供給されます。その空間は育てた作物を収穫した後の根っこがあった場所や、ミミズやモグラが開けた穴です。


因みにミミズは腐敗した土に生息します。腐敗した土は糸状菌が増殖出来ていない下の土にあります。そしてモグラの主食はこのミミズです。なので、土壌が微生物を増やせば腐敗した土は地下深くになり、ミミズもモグラも腐敗した土の所、すなわち地下深くに移動し、酸素を供給し、糸状菌が増える土台を作ってくれます。


ただし、糸状菌は有機物が無ければ増殖しません。糸状菌が減少すれば当然、糸状菌が作り出した糖や栄養を餌とする細菌も減少します。だから、常に糸状菌が分解する有機物を土に提供する必要があります。人がめったに歩かない山道で、落ち葉のじゅうたんに覆われた場所を歩いた人ならわかると思いますが、本当にふかふかです。


この微生物での土作りを畑で再現させるには、有機物を土に鋤き込むのではなく、土の上を覆う事です。又、落ち葉など大きな形状の有機物を畝の下に仕込ませるのも良い方法です。


只、有機物であればなんでも良いわけではありません。糸状菌は炭素を分解するのが得意です。なので炭素いっぱいの有機物を選びます。


炭素いっぱいの有機物とはイネ科の草・もみ殻・落ち葉・木そして竹などです。いづれも分解が遅い物質です。


次に上記有機物の使用方法及び特徴です。

イネ科の草は枯らして使用します。軽いので風て飛ばないような工夫が必要です。又、分解が速いので供給サイクルも早まります。

籾殻・落ち葉・木は使用する前に数か月から一年、雨ざらしにして、糸状菌が発生しているのを確認してから投入してください。特にもみ殻はそのままですと水をはじくので糸状菌は発生しません。

竹は比較的早く糸状菌を発生させますが、粗いチップで投入してください。なぜならパウダー状の細かいものは糸状菌よりも細菌の一種である乳酸菌を発生させてしまうからです。乳酸菌は細菌の一種で発生しても良いのですが、それ以前に糸状菌を増殖させなければならないからです。もちろん、青竹よりも数か月寝かせて置いた竹を使用します。




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