炭素循環農法は、生態ピラミッドにおける微生物の共存共栄関係を利用した農法です。
この農法は、農耕地において炭素循環を人為的に効率化することで、慣行農法以上の生産性を実現しようとするものです。
まず、窒素分が少なく、炭素成分が豊富な有機物(炭素資材)を畑に投入します。すると糸状菌が炭素資材を分解し、土壌を団粒化させ、排水性を向上させます。
糸状菌が増殖する(炭素資材を十分に分解する)と細菌が糸状菌の分解物を餌として増殖します。これらの細菌が野菜に必要な栄養素を排出するのです。
これでようやく、野菜が育つ土壌になるのです。
ここで重要なのは糸状菌の増殖に適度な酸素と水が不可欠という点です。炭素資材を土にいくら鋤き込んでも適度に酸素と水が無ければ糸状菌は増殖されません。
なので、炭素資材は土に鋤き込むのではなく、土の上にかぶせるといいようです。
又、野菜に必要な栄養素を排出する細菌が増殖すれば糸状菌は消滅していくので定期的な補充が必要です。
炭素素材としては当然、炭素率が高い資材が適しています。
おがくずの廃菌床・もみ殻・竹などが挙げられますが、その炭素率は下記のようになっています。
おがくずの廃菌床➡30~50 もみ殻➡80 竹➡280
この様に竹は圧倒的に糸状菌の増殖に適しています。
しかし、竹には一つ、特徴があって、細かくチップにすると糸状菌ではなくて乳酸菌が増殖するのです。又、細かいチップだと、空気層も少なくなってしまいます。
なので糸状菌を増殖させるためにはなるべく粗いチップを使用する方が良いようです。
それから青竹よりは枯竹の方が既に糸状菌が発生しているかもしれず、おすすめです。
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