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「土が固くなる」のはなぜ?




畑の土が固くなるのは日本に限らず、世界中の現象のようです。



ふかふかな土と硬い土の違いは主に団粒構造にあるようです。

ふかふかな土:

  • 団粒構造が発達した土: ふかふかな土は、団粒構造が発達した土壌を指します。このような土は、野菜にとって好ましい環境であり、水はけや通気性が良い状態になります

  • 根張りが良い: 団粒構造が整っているため、野菜の根がしっかりと張り、成長を促進します。


硬い土:

  • 団粒構造が発達していない土: 硬い土は、団粒構造が発達していない土壌を指します。このような土は、水はけが悪く、作物が育ちにくいデメリットがあります

  • 耕すのが大変: 硬い土は耕すのが難しく、根が張りにくいです。


作物を育てている方はもちろん、ふかふかな土作りを目指します。

硬い土になるのは化学肥料を使うから・・・と言われていますが、何故なんだろう?


化学肥料は画期的な発明でした。化学肥料は主に[窒素][リン酸][カリウム]で構成されています。発明以前は自然界から供給されていた物を科学で作り上げ作物の生育の為に畑の土に撒くのです。



土の構成要素は鉱物、有機物(腐植)、生物です。

  • 鉱物…粘土や砂など

  • 腐植…土壌有機物が微生物によって分解されることで生成される物質

  • 生物…ミミズやダニなどの土壌生物、カビや放線菌などの微生物


ところが、化学肥料(化成肥料)には腐植の素となったり土壌生物のエサとなる有機物が含まれていません。化学肥料(化成肥料)だけを与えていた場合には、土壌の腐植は少しずつ微生物に分解されて減少し、エサが少なくなることで土壌微生物も減少していきます。


腐植や土壌微生物が分泌する成分(多糖類)は土壌粒子をくっつけて団粒化する役割を担っています。それらが減少することで土の団粒構造が崩れ土は固く締まっていくことになります。


又、石灰肥料は土壌のpHを調整するために使われます。特に日本の土壌は雨や土の性質の関係で酸性が強い傾向にあります。作物を同じ場所で長期間栽培していると、段々と土壌が酸性に寄っていくこともわかっています。一般的に野菜は中性から弱酸性の土壌を好みます。酸性やアルカリ性に偏りすぎてしまうと、うまく育たなかったり、病気がちになったりしてしまいます

しかし、アルカリ性の資材を多量に施用すると土壌の団粒構造が破壊され、土が固くなることがあります。この現象は、石灰肥料などのアルカリ性資材が土壌中の粘土粒子を結合させ、土壌の通気性や水はけを悪化させるためです。


どうやらふかふかの土と硬い土の違いはその形状だけでなく、以下のような違いもあるようです。

ふかふかの土=肥沃な土

硬い土=痩せている土


化学肥料ばかりを使用している土は化学肥料を撒いた時だけ即効的に肥料成分が含まれますが、持続性はなく、必要な時期にその都度、撒かなくてはなりません。石灰肥料も土壌改良時に積極的に使用されています。その上、除草や防虫の為の農薬も頻繁に使用します。これらも微生物の現象に貢献しているのではと推測します。その回数の積み重ねが固い土を形成していきます。


ふかふかな土は団粒構造を形成するのに有機物と微生物の活動を利用するので有機物があれば基本的に効果は持続します。又、微生物にはさまざまな種類があり、その中には作物の育成に必要な[窒素][リン酸][カリウム]をはじめ、それ以外の微量な必要性分も作り出す事が出来、結果、栄養たっぷりの野菜を生み出してくれるのです。(化学肥料だけだと微量成分が含まれにくく、栄養の少ない、弱い野菜に育ちます)


森の中で、植物は勝手に芽を出し、成長し、枯れ、最後には微生物に分解され堆肥となって土に還ります。ヒトがめったに歩かない山道は本当にふかふかです。そこでは多種多様な植物が勝手に繁殖しています。

森に行かずとも畑のあぜ道の草位、作物が元気よく、数多く、生育してくれたら・・・と思ってしまいます。雑草と呼ばれる厄介者の草程、肥料を施してなんていないのに生育が良いのです。


科学の発展は近年、目覚ましいものがあり、それを否定する物ではありません。しかしながら我々ヒトは全ての自然の営みを解明したのではありません。未知の事象が多くあるのも事実です。

結局、ヒトが余計な手間をかけるばっかりに作物はひ弱になり、栄養分も減り、生育しにくくなっているのではないのか・・・と、考えざるを得ません。


化学肥料・石灰肥料・農薬の使用方法を考え直す時期に来ているのかもしれません。



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